相続財産から控除できる債務葬式費用とは?

 

相続税を計算するときは、被相続人(亡くなられた方)が残した借入金などの債務を遺産総額から差引くことができます。

 

また、葬式の費用も控除することができます。

 

 

債務控除 葬式費用

◆債務控除

被相続人(亡くなられた方)が死亡した時にあった債務で確実と認められるものです。

 

また、被相続人に課される税金で被相続人の死亡後に相続人などが納付徴収さることになった所得税などの税金については、被相続人が死亡した時に確定していないものであっても債務として控除することができます。具体的には準確定申告に係る所得税などです。

 

ただし、相続人のなどの責任に基づいて納付したり、徴収されることになった延滞税や加算税などは控除することができません。

 

 

債務控除 ローン

●控除できる債務

・銀行などからの借入金

・事業上の買掛金や未払金

・固定資産税などの税金

・準確定申告に掛かる所得税

・治療費や入院費の未払金

・生活費の未払分 など

 

 

●控除できない債務

・墓地や仏壇などの非課税財産に係る債務

遺言執行費用

・保証債務 など

 

 

◆葬式費用

葬式費用は、被相続人(亡くなられた方)が負担するものではありませんが、人が亡くなったときに必然的に発生する費用で一般的に相続財産から支払われるものなので、債務と同様に遺産総額から差し引くことができます。

 

 

葬式費用

●葬式費用となるもの

・通夜式、告別式にかかる費用

・通夜式、告別式にかかる飲食費用

・受付などの手伝いをしてくれ方への心付け

・お寺へのお布施、戒名料、読経料など

・埋葬、火葬、納骨にかかる費用

・通夜、告別式に渡す会葬御礼費用

・遺体の捜索、遺体や遺骨の運搬にかかった費用 など

 

 

●葬式費用とならないもの

・香典返し費用

 通夜、告別式で渡す会葬御礼費用で相当程度のものであれば葬式費用となりますが、香典返しや通夜、告別式での即返しについては葬式費用となりません。

 

・法会にかかる費用(初七日、四十九日など)

 初七日を通夜、告別式と一緒に行う場合がありますが、その場合に 

 は初七日にかかる費用は葬式費用となりません。 

 

・墓地、仏壇、位牌等の購入費用

・遺体解剖費用 など

 

 

◆債務や葬式費用を遺産総額から差し引くことができる人

債務控除を受けられる人は相続人または包括受遺者のみとなります。

 

*包括受遺者とは遺言により遺産の全部又は何分のいくつというように遺産の全体に対する割合で財産を分けられた人をいいます。