相続税計算の具体例

夫、妻、長男、長女の4人家族で夫が亡くなった場合

　遺産総額から葬儀費用、債務（借入金）を引いて正味の遺産額を計算します。

被相続人（夫）の遺産、債務、葬儀費用

現金・預金　　　　 　　6,000万円

株式 　　　　　　   　　 3,600万円

土地　　　　　　　 　　4,000万円

建物　　　　　　　　 　1,800万円

葬儀費用　　　　　　 　 −300万円

借入金　　　　　　　　  −800万円

生命保険　　　　　　　　 500万円　

正味の遺産額　　1億4,800万円

正味の遺産総額から基礎控除額を引きます。

基礎控除額

3,000万円＋600万円×3人（法定相続人の数）＝4,800万円

1億4,800万円−4,800万円＝1億円

一旦、法定相続分で分けたものとして相続税の総額を計算します。

妻　 　1億円　×　1/2　＝　5,000万円

長男　 1億円　×　1/4　＝　2,500万円

長女　 1億円　×　1/4　＝　2,500万円

相続税の速算表にあてはめて相続税額を計算します。

妻　     5,000万円　×　20％　−　 200万円　＝　800万円

長男　 2,500万円　×　15％　−　　50万円　＝　325万円

長女　 2,500万円　×　15％　−　　50万円　＝　325万円

相続税の総額　800万円　+　325万円　+　325万円　＝　1,450万円

◇法定相続分で分割した場合

妻　　 1,450万円　×　1/２　＝　 725万円

長男　 1,450万円　×　1/４　＝　362万5千円

長女　 1,450万円　×　1/４　＝　362万5千円

妻の場合は、「配偶者の税額軽減」が受けられますので1億6千万円、配偶者の法定相続分どちらか多い金額まで相続税がかかりません。

妻　　725万円　−　725万円　＝　0円

◇妻　30％　長男　50％　長女　20％　で分割した場合

　妻　　 1,450万円　×　30％　＝　435万円

　長男　 1,450万円　×　50％　＝　725万円

　長女　 1,450万円　×　20％　＝　290万円

妻の場合は、配偶者の「税額軽減の軽減」が受けられますので1億6千万円、配偶者の法定相続分どちらか多い金額まで相続税がかかりません。

妻　　435万円　−　435万円　＝　0円