相続したタワーマンションを「路線価方式」で財産評価を行い、相続税申告をしたところ、国税はこの評価が、実勢価格と乖離しており、著しく不当であるとして更正処分を行いました。
納税者(相続人)はこれを不服と訴訟を起こしましたが、1審2審いずれも敗訴し、令和4年4月19日に最高裁で国側の勝訴が確定しました。
◆タワマン節税とは
タワーマンションは相続税評価額と時価の差が大きくこれを利用した節税方法のことを言います。
相続が発生すると被相続人の財産は国税庁が定める評価方法により評価を行います。この評価額が大きければ大きいほど相続税の税額も高くなります。
◆裁判の内容
被相続人(亡くなられた方)が亡くなる3年前に東京のマンションを約8億3,700万円、神奈川のマンションを5億5,000万円を購入しました。
相続人は路線価方式により東京のマンションを約2億円、神奈川のマンションを約1億3,400万円と評価し、また、マンション購入
のため約10億円の借り入れを行っていたため、相続税を0円として相続税申告を行いました。
国税局が不動産鑑定による実勢価格を調査したところ、東京のマンションを約7億5,400万円、神奈川のマンションを約5億1,900万円と評価しました。これにより相続人に追徴課税約3億円の更正処分を行いました。
相続人はこれを不服として訴訟を行いましたが、「「総則6項」この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税長官の指示を受けて評価する。」を根拠に最高裁で国側の勝訴が確定しました。
タワマン節税は相続税評価額と実際の時価に差額があることから大幅な節税をできるとして富裕層に使われてきました。しかし、今回に裁判によりタワマン節税を行うことは難しくなると思われます。